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GNIグループ2022年12月期通期 株主総会の質疑応答の概要

(2023年3月30日開催)

【4/12】4/11公開の内容にて翻訳の過程で欠落したり誤訳されていた情報がありましたので、加筆訂正しました。申し訳ございません。

本資料に記載されている当社の現在の計画、見通し、戦略などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しです。

将来の業績に関する見通しにつきましては、現時点で入手可能な情報から得られた当社経営者の判断に基づいています。実際の業績は、さまざまなリスクや不確実な要素により、これら業績見通しとは大きく異なる可能性があるため、これら業績見通しに依拠した投資判断を行うことはお控え下さいますよう、お願いいたします。

実際の業績に影響を与えうる重要な要因には、当社グループの事業領域を取り巻く経済情勢、市場の動向、世界情勢などが含まれます。

この文書は、言及されている取引に基づくいかなる法域においても、売却の申し出、申し込みまたは購入の申し出の勧誘、証券の購入または申し込みの勧誘、または投票の勧誘を意図したものではなく、構成するものでもありません。いかなる法域においても、そこで適用される法に違反して、証券の販売、発行、または譲渡を行わないで下さい。

本資料と2022年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)の内容に相違があった場合、短信の内容が優先されます。

見通しや仮定の数値は、端数処理を行っております。

 

用例:

当社:株式会社ジーエヌアイグループ(日本単体)

当社グループ:当社および子会社

北京コンチネント:北京コンチネント薬業有限公司

CBIO:Catalyst Biosciences, Inc.

BAB:Berkeley Advanced Biomaterials LLC

Cullgen: Cullgen Inc.およびCullgen Shanghai, Inc.

(下記の全ての質問は、代表執行役社長のイン・ルオ博士により回答されました。)

Q1:F351の臨床試験の進行状況について教えてください。6月末の被験者登録完了予定から遅れているということですが、何%くらい進捗していますか?全般的な印象は?

A1:中国での第Ⅲ相臨床試験に関しては、予定している被験者数の約45%の登録が済んでおり、(新型コロナウイルスの再蔓延などの大きな問題が発生しない限り)年内に登録を完了することを目標にしています。米国に関しては、米国での上場会社管轄で行いますので、当社からコメントすることは控えさせて頂きます。昨年の中国における新型コロナウイルスの蔓延状況を見ると、現時点で45%の被験者登録は悪くない数値だと考えています。中国で新型コロナウイルスによる2022年のロックダウンや、2022年12月から2023年1月にかけて爆発的な感染が起きた際には、病院に来院できる肝線維症患者がほとんどいない期間もあり、臨床試験の被験者登録を進めるのが非常に困難でした。近頃は、状況が大幅に改善しています。

Q2: Cullgenに関して、Arvinasなどの同業他社は2千億円以上の時価総額がありますが、Nasdaq上場はどう考えていますか?同じくNasdaqに上場していて、GNIが出資するCBIOと関係がありますか?それとも全く別の話として進められるのでしょうか?

A2:この点に関しましては、当社グループの経営陣でも長く議論して来ました。Cullgenの創業者達は、著名な学会誌に標的タンパク質分解誘導技術に関して寄稿する程の科学者であり、私達は、Cullgenを標的タンパク質分解誘導の分野でトップ・レベルの会社の一つだと考えています。Cullgen独自のuSMITETMという創薬プラットフォームは、世界でも最も優れたものの一つだと考えられており、当社グループと共に、多くのベンチャー・キャピタル(VC)やプライベート・エクイティ(PE)ファンドがCullgenに投資しています。それらのVCやPEは、当然Cullgenが上場することを期待していますので、当社グループもCullgenの上場を目指して参ります。また、そのため、Cullgen上場はCBIOとは関係なく、Cullgen個別で進めます。現時点では、株式市場におけるバイオテクノロジー・セクターの状況はあまり良くなく、上場に追い風とは言えませんが、当社グループとしては注意深く市況を見守って行きます。当社株主の皆様にとっても、Cullgen上場は良いことだと考えています。

Q3:数年前、GNIの企業価値は2千億円というコメントがありましたが、今は時価総額が490億円しかありません。経営陣として、なぜこうなっていると考えているのですか? 具体的にどのように改善するつもりですか?

A3:当社の株価および世界の株式市況は、社長はじめ当社でもいつもフォローしており、私たちも現在の株価を懸念していますが、私たち自身が株価に直接影響を与えることはできません。香港証券取引所のバイオテクノロジー・セクターには、70%も株価が下がっている会社もあります。ひどい時は90%ほど下がっている時もありました。米国では、140社ほどのバイオテクノロジー企業が、保有する現金価値よりも時価総額の方が低くなっている時期もあったと聞いています。もちろん、全てを市況のせいにすることはできませんが、多くの会社が市場全体の下げ圧力を避けることはできません。このような困難な環境で何ができるのか私の戦略を申し上げると、昨年は800万ドル強を投資しました。これは(将来)利益の源泉になると考えてのことです。また、F351以外からも利益を出せるよう、生体材料ビジネスを拡大するべくOsDermaを設立しました。更に、中国の北京コンチネントにおいて、営業チームを拡大し、大都市だけでなく、中小規模の都市にも浸透を図っています。Cullgenも私たちにとって価値が高い資産であり、(研究開発を)推し進めています。

Q4:会社として時価総額を大きくする必要があると思いますが、そのためには株主を増やす必要があり、更にそのために1円でも2円でも配当を出すべきではないでしょうか?

A4:当社グループでも配当に関しては何度も検討しました。その際に考慮したポイントの内、特に二つをご説明します。一つ目は、配当を出すこととCullgenに投資することのどちらが当社グループの価値を向上させるかという点です。Cullgenに関しては、Cullgenの価値を増大させることによって、当社の株主の皆様も、当社が配当を出すよりも大きなリターンを得ることができます。二つ目は、日本や香港、ナスダックなどの市場においてバイオテクノロジー企業の価値における配当の影響です。それらの市場で配当を出している会社の株価収益率が必ずしも高いとは言えません。例えば、私(ルオ社長)が保有している配当性向7%の銘柄は、株価収益率がたった3倍しかありません。配当が株価を向上させるという明確な根拠はあまりないと考えています。もちろん配当が悪いというわけではありませんが、当面は、良い事業機会があれば、貴重な現金はその事業機会に投資したいと考えております。高い株価は、会社のファンダメンタルズを持続して向上し続けることによりもたらされると信じております。将来、グループ会社がより成功した暁には、それらの会社からの利益を当社株主の皆様に還元したいと考えています。

Q5:GNIは黒字経営で、F351という有望な候補薬があり、また将来性のあるCullgenという子会社もあるのに、なぜこんなに株価が低いのでしょうか?なぜ他の大手企業が買収しないのでしょうか?

A5:株価の上下には様々な要因がありますが、当社に限らず多くの企業は市場全体の流れを完全に避けることはできません。私は株価が4円の時も経験しました。あれは人生で最も暗い時代でしたが、その後1,000円以上まで持ち直しました。当社グループが業績を上げ続ける限り、また更に持ち直すことができると考えています。当社の最大の株主として、当社の株価を真剣に考えております。私の判断の全ては、当社の利益を考えてのことです。

Q6:F351は2年前に画期的治療薬に指定されましたが、新薬承認申請は2024年の後半予定となっています。画期的治療薬であることによる何らかの優遇措置はあるのですか?

A6:画期的治療薬に指定されていることのメリットは、通常だと承認を得るのに臨床試験で500から700人の被験者でテストする必要がありますが、それが240名ほどで済むことです。北京コンチネントは、中国での被験者の登録を今年中に終えることを目標にしており、その後データ収集に1年かかり、更にその後に新薬承認申請となりますので、来年の終わりには良い結果をお届けできるように頑張りたいと思います。臨床試験データが最も大事になりますので、少なくとも週次では社長自らが臨床試験担当者に進捗を確認するくらい、この臨床試験は重視しています。

Q7:株価が4円の頃から助けてくれた機関投資家がいたと思いますが、それらの投資家への恩返しは完了したのでしょうか?F647(アイスーリュイ)上市の際は機関投資家が空売りし、F351の臨床試験進捗もワラント発行もあってか機関投資家が空売りしたと認識しています。

A7:株主数は、去年の1万8千人から今年は1万6千人くらいになっていますが、それらの中には、私どもの認識では、機関投資家は限られた数しかいらっしゃいません。当社としては長期の機関投資家に当社株を保有して頂きたいのですが、実際にはそのようなバイオ投資家の株主様は数社しかいらっしゃらず、年に1,2度お話するくらいです。従って、株価は機関投資家によって動いている訳ではないと考えています。7年ほど前に、私の保有する株が社長の知らない間に貸し出されているということがありましたが、直ぐにその証券会社とは関係を打ち切り、別の銀行に保有株を移しました。それ以降、税金などの関係でいくらか売却した以外は、過去15年間、私は当社株を売っておりません。私は最も長期の株主の一人です。

Q8:国内事業について、EPSとの合弁であるマイクレンですが、BABの商品を日本で販売するということでしょうか?そのスケジュール、目標売上などはどのように考えていますか?そうでなければ、日本の事業はどのように立ち上げるのでしょうか?

A8:マイクレンは当社グループにとって日本での足がかりであり、(合弁相手である)EPSの厳さん、関谷さんには感謝しています。日本は非常に規制が厳しい国であり、(国内事業を拡大するには)多くのハードルがあります。スケジュールはお話しすることができません。投資するのは簡単ですが、統合するのは難しいからです。まず統合してから、次に進みたいと考えています。当社グループは、今まで事業の統合に失敗したことがありません。今、マイクレンと当社グループの日本での事業拡大について話し合っているところです。当社グループの日本での拡大は、たゆまず堅実に進めるつもりです。進捗がありましたら、また開示させて頂きます。

Q9:現在GNIに多くの含み資産があると認識しています。F351の価値や北京コンチネントの価値はCBIOとの取引で明らかになりましたが、まだバランスシートに価値が反映されていない部分があります。例えば、CBIOとの取引では、CBIOの普通株式は利益に計上していますが、優先株式は計上していません。優先株の価値にも課税されるのに、なぜ利益に計上しないのでしょうか?

A9:CBIOの優先株に関しては、監査法人と長く議論しました。優先株に関しましては、諸事情により価値算定が困難だったこともあり、当社としても監査法人の意見を尊重して保守的に処理することにしました。当社グループには多くの潜在的な資産があります。それらを解き放つのが私の仕事だと考えています。